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2010年1月23日

目指すべき社会システム

次に新しい社会システムについて考えてみたいと思います。

まず、資本主義の精神的衰退はいつから始まったのかを考えてみましょう。

私は祖父の影響から会社経営に興味があり、経営学部にはいったのは前回述べたとおりです。

大学時代は、資本主義は無敵だという私と、資本主義否定派の他の大学生と問答したこともありました。

私はなんでも肯定的に考えることが多いので、例えば自然破壊に対してもエコが流行りだすことにより、遠回りであるけどもいずれいい方向に行くと思っていました。

しかし、彼はその考え方に否定的でした。色々、彼の理論を聞いた記憶はあるのですが、当時の視野が狭い自分には理解出来ず、今でも思い出せません。

しかし彼は悟っていたのかもしれません。記憶に寄れば、彼の父は転勤族で海外を含めて全国を飛び回っていたそうです。

もちろんこの事実を、彼が否定的に捉えていたかどうかはわかりませんが、この影響は大きかったのだと推測できます。

社会のとらえかたというのは、家庭の中で育つものなのです。

さて、この流れで次の話をしますが、夜回り先生、水谷修先生の話を聞いたことはあるでしょうか?

私は先生の講演を聞かせていただいたことがあるのですが、聞いたその日は自問自答の繰り返しになります。

先生の活動は有名ですので詳しくは記述しませんが、夜中に街を歩いて未成年の非行防止に精力されています。

主な対象となるのがドラッグです。ドラッグなんて身近に溢れていれことは歳が若いほどよく知っていると思いますが、本当に簡単に手に入ってしまいます。

私も違法まで行かないそういった類は、若かりしころに数回経験していますし、そのような話は日常茶飯事です。

しかし、誰もが好きで手を出す訳ではありません。興味本位で依存性の無い違法ではないものを試すだけならかわいいものですが、依存性のあるものを助けとして手に入れる考え方もあるのです。

そういったものは夜中に手に入ります。一般的に見れば、幻想の誘惑に負けてしまうのですが、子供たちにとっては助けである場合が多くあります。

そうです。夜中に徘徊している子供は助けを求めているのです。

一方で、夜中に徘徊出来ない子供も存在します。これは、逆のパターンですが、これは助けを求める先を外に向けられませんから、自分を責めます。

そういった子供たちはリストカッターになってしまうことがあります。

リストカットって何故でやると思いますか?

リストカットは生きるためにやっているのです。だから、むやみに否定してはいけないと言われています。

自分の痛さを実感して、初めて生きていることを実感しているのです。誰も本当に死のうとしていません。

一体何が子供をそうさせるのか、知っていますか?一体、原因は何でしょう。

実はそれはすべて大人のせいなのです。

先生は言います。

会社で夫が怒鳴られる。その矛先は妻に向けられる。妻は子供に向ける。

弱いものへのストレスの連鎖が起きているのです。

しかし、子供は一体誰にストレスを向ければいいのでしょうか?

それは自分しかないのです。

ドラッグまみれになれば、待つのは死しかありません。

一体、誰がこの子供を殺したのでしょう。

大人です。

これは特別な事象と思ってはいけません。ドラッグやリストカットといった分かりやすい目に見えるものであるだけです。

子供同士のいじめも、大概は大人が影響しています。

すでにこの資本主義は、物質的向上はしましたが、精神的衰退をしているのです。

いや、物質的には人間的にすでに豊かですから、物質的な向上を望まないという選択をするひとも増えています。

車を持たず、家を持たずです。

新しい社会システムとは、いったいどのような形なのでしょうか。

何も特別なことではありません。根本の資本主義を変えろという大きいことを言いたいわけではありません。

考えてみれば分かります。

それがどのような形かは、読者自らが考えてもらいたいと思います。

答えは、すぐに分かるはずです。

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このページは、マス風が2010年1月23日 00:33に書いたブログ記事です。

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