2007-2010 創造構想の最近のブログ記事

2010年12月12日

[小説] 午前0時の環状線(3)

[小説] 午前0時の環状線(1)
[小説] 午前0時の環状線(2)

「俺は、人を一人殺している」

僕は信じられなかった。

アニキは、どうやらあのスリ師を殺したというのだ。

僕が乗り換えのために降りた大阪駅、

アニキと、そのスリ師は、

同じ電車にのって環状線を回っていた。

そこで何が起きたんだろう。

「俺は出頭するべきかな」

アニキは続ける。

僕はいっさい口を開くことが出来なくなる。

しかし、僕はまだアニキを信じている。

それは、ニュースでそういった報道がされていなかったからだ。

たぶん何かの冗談なんだ。

「お代わりでいいよね」

僕は、アニキの空っぽになったグラスを見て話を変えた。

いつもの店員に合図する。

「お前、あの男を見ているだろ?」

「え?」

アニキが何が言いたいのか分からなかった。

「どういうこと?」

僕はそう確認するしかなかった。

店員がお代わりのビールを持ってきたときにアニキが口を開いた。

どうやら、あの泥酔リーマンとして見た時、

アニキは僕に気づいて、必死で気づかないふりをしていたという。

僕は青ざめてしまい、また口を開くことができなくなってしまった。

もしかして、アニキは本当のことを言っているのかもしれない。

そんな予感が頭をよぎった。

「ちょっと、トイレいってくる」

僕は吐いた。今まで飲んでいたビールよりも多くの何かを吐き出した。

急に気持ちが悪くなってきたのもあったけど、

今というこの時間を、アルコールなしで考えたかった。

アニキが人を殺すはずなんてない。

何かの間違いに違いない。

とにかく、出直そう。

「大丈夫か?青ざめているぞ」

アニキがわざとらしく声をかけた。

「また今度会えないかな?なんか今はうまく話が出来ないと思う」

アニキはうなずいた。

僕らは店を出ると、既に新聞配達員がうろうろしていた。

朝が近そうだ。

早く一眠りして、一回頭を切り替えよう。

僕はそう思ったが、結局朝まで寝付くことが出来なかった。

体は疲れているのは分かっていたが、脳が完全に興奮しているのが分かった。

気づくと、すぐに仕事へ向かう時間が近づいていた。

重い体を動かし、準備を始める。

しかし、僕はその日、結局会社に行くことが出来なかった。

[ショートショート] 新聞配達員のリョウジ

高校を辞めたのはいつの日のことだっただろうか。

あの日から一般世間から離れる生活をおくってしまった。

そう、その日から一歩も外に出れなくなってしまったのだ。

出歩くことが出来るのは、世間が寝静まってから。

もちろん、そんなに遠くに行ける訳ではない。

コンビニに、夜食を買いに行くぐらいなのだ。

それが僕が世間との唯一の接点だった。

そして、気づくと20歳を迎えていた。

何もない時が過ぎていた。

世間ではどのぐらいのスピードで時間が過ぎているのか、

そんなことには関心を向けることのない期間。

日が昇るとともに、眠り、

夕方のドラマの再放送を寝ぼけながら見て起きる。

そんな生活が、もう何年も続いていたんだ。

何にもない日々。

そう思っていた。

自分の一日一日には何も価値はない。

それが、普通だった。

だから、何も感じない。

そんな僕が新聞配達を始めたのは、あの人、

そう安西さんに出会ってからだ。

僕は今でも鮮明に記憶している。

コンビニに新聞をおろす、安西さんの笑顔だ。

別に夜中に笑顔の人が珍しいわけではない。

コンビニ店員のタツヤさんも、ものすごく笑顔だ。

でも、安西さんの笑顔には何かが隠されている気がした。

安西さんは、新聞をタツヤさんに手渡すと、

数秒もしないうちに次への配達先に向かっていく。

タツヤさんとは言葉にならないような言葉で。

挨拶を交わすだけだ。

この人はなんだろう。

唯一の接点だったコンビニに訪れる、

唯一の刺激。

その頃は、自分の顔を鏡で見ることなんてなかったけど、

多分、僕の一年分の笑顔が、安西さんにはあった。

だからと言って、もちろん、声かけることなんて出来なかった。

ただただ、憧れるだけ。

いつの日か、僕はコンビニの片隅においてあった、

タウンワークを手にして帰るようになった。

そこには、あった。

新聞配達員募集の欄だった。

正直、採用されるとは思わなかった。

電話もかけたことはないし、面接もうまくしゃべられなかった。

しかし、なんとか新聞配達をできるようになったのだ。

初出勤の日。

今度は違う形で、安西さんに会うことになった。

「まずは、僕のエリアを一部やってもらうから」

今では、コンビニ店員のタツヤさんに新聞を届けるのは僕の番だ。

安西さんに負けない笑顔で、タツヤさんに届けよう。

こうやって、僕の一歩は踏み出していった。

2010年11月 5日

アイデアマラソン #5 「目標設定サイト」

「目標設定サイト」

とある雑誌を見ていたら、

月に一度、三ヶ月に一度、一年に一度、

それぞれ目標設定する人は年収が高い傾向にあったという。

というか、年収が高い人は、

それぞれ目標を設定する傾向があったらしい。

この雑誌の調査は、ただ年収が高い人ほど

目標を策定、認識する立場にあるだけのように思うが、

調査によると、プライベートでの目標も立てているようだ。

年収が高い人は目標を立てているということイコール、

目標を立てれば年収が高くなるという訳ではないと思うが、

目標とある程度の期間で立てていくことはメリハリにつながる。

ということで目標を設定できるサイトがあればいいなと思った。

可能であれば、年間目標から落とし込んで三ヶ月に一度、月に一度、

そして毎日の目標に落とし込んでいけるようにできれば一番いい。

毎日の積み重ねで一年になることは誰でも知っている訳で、

毎日一定の何かをすれば、一年でかなりのものになることもみんな知っている。

それができないのは、日々の何かが、一年の何かにどうつながるかが分からないからだと思う。

つまりは、自分が日々やっていることが年間目標のこの部分をやっていると認識できれば、

かなり継続できると思う。

ただ、近いサイトが既に何個もありそうやなぁ。

ということで差別化を考えてみる。

<差別化>
やっぱりGoogleカレンダーと連携できないと意味がないだろうな。
ていうか、Googleカレンダーと連携できればiPhoneやアンドロイドともつながるということなので、必須なのかも。
アプリはどうでもいいかな。でも使いやすくなるなかいいのかも。あ、日々の更新はアプリがあった方が便利そう。
ここまで踏み込んでいるサイトはまだないかな。

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