-2010 創造構想の最近のブログ記事

[小説] 午前0時の環状線(1)
[小説] 午前0時の環状線(2)

「俺は、人を一人殺している」

僕は信じられなかった。

アニキは、どうやらあのスリ師を殺したというのだ。

僕が乗り換えのために降りた大阪駅、

アニキと、そのスリ師は、

同じ電車にのって環状線を回っていた。

そこで何が起きたんだろう。

「俺は出頭するべきかな」

アニキは続ける。

僕はいっさい口を開くことが出来なくなる。

しかし、僕はまだアニキを信じている。

それは、ニュースでそういった報道がされていなかったからだ。

たぶん何かの冗談なんだ。

「お代わりでいいよね」

僕は、アニキの空っぽになったグラスを見て話を変えた。

いつもの店員に合図する。

「お前、あの男を見ているだろ?」

「え?」

アニキが何が言いたいのか分からなかった。

「どういうこと?」

僕はそう確認するしかなかった。

店員がお代わりのビールを持ってきたときにアニキが口を開いた。

どうやら、あの泥酔リーマンとして見た時、

アニキは僕に気づいて、必死で気づかないふりをしていたという。

僕は青ざめてしまい、また口を開くことができなくなってしまった。

もしかして、アニキは本当のことを言っているのかもしれない。

そんな予感が頭をよぎった。

「ちょっと、トイレいってくる」

僕は吐いた。今まで飲んでいたビールよりも多くの何かを吐き出した。

急に気持ちが悪くなってきたのもあったけど、

今というこの時間を、アルコールなしで考えたかった。

アニキが人を殺すはずなんてない。

何かの間違いに違いない。

とにかく、出直そう。

「大丈夫か?青ざめているぞ」

アニキがわざとらしく声をかけた。

「また今度会えないかな?なんか今はうまく話が出来ないと思う」

アニキはうなずいた。

僕らは店を出ると、既に新聞配達員がうろうろしていた。

朝が近そうだ。

早く一眠りして、一回頭を切り替えよう。

僕はそう思ったが、結局朝まで寝付くことが出来なかった。

体は疲れているのは分かっていたが、脳が完全に興奮しているのが分かった。

気づくと、すぐに仕事へ向かう時間が近づいていた。

重い体を動かし、準備を始める。

しかし、僕はその日、結局会社に行くことが出来なかった。

高校を辞めたのはいつの日のことだっただろうか。

あの日から一般世間から離れる生活をおくってしまった。

そう、その日から一歩も外に出れなくなってしまったのだ。

出歩くことが出来るのは、世間が寝静まってから。

もちろん、そんなに遠くに行ける訳ではない。

コンビニに、夜食を買いに行くぐらいなのだ。

それが僕が世間との唯一の接点だった。

そして、気づくと20歳を迎えていた。

何もない時が過ぎていた。

世間ではどのぐらいのスピードで時間が過ぎているのか、

そんなことには関心を向けることのない期間。

日が昇るとともに、眠り、

夕方のドラマの再放送を寝ぼけながら見て起きる。

そんな生活が、もう何年も続いていたんだ。

何にもない日々。

そう思っていた。

自分の一日一日には何も価値はない。

それが、普通だった。

だから、何も感じない。

そんな僕が新聞配達を始めたのは、あの人、

そう安西さんに出会ってからだ。

僕は今でも鮮明に記憶している。

コンビニに新聞をおろす、安西さんの笑顔だ。

別に夜中に笑顔の人が珍しいわけではない。

コンビニ店員のタツヤさんも、ものすごく笑顔だ。

でも、安西さんの笑顔には何かが隠されている気がした。

安西さんは、新聞をタツヤさんに手渡すと、

数秒もしないうちに次への配達先に向かっていく。

タツヤさんとは言葉にならないような言葉で。

挨拶を交わすだけだ。

この人はなんだろう。

唯一の接点だったコンビニに訪れる、

唯一の刺激。

その頃は、自分の顔を鏡で見ることなんてなかったけど、

多分、僕の一年分の笑顔が、安西さんにはあった。

だからと言って、もちろん、声かけることなんて出来なかった。

ただただ、憧れるだけ。

いつの日か、僕はコンビニの片隅においてあった、

タウンワークを手にして帰るようになった。

そこには、あった。

新聞配達員募集の欄だった。

正直、採用されるとは思わなかった。

電話もかけたことはないし、面接もうまくしゃべられなかった。

しかし、なんとか新聞配達をできるようになったのだ。

初出勤の日。

今度は違う形で、安西さんに会うことになった。

「まずは、僕のエリアを一部やってもらうから」

今では、コンビニ店員のタツヤさんに新聞を届けるのは僕の番だ。

安西さんに負けない笑顔で、タツヤさんに届けよう。

こうやって、僕の一歩は踏み出していった。

「目標設定サイト」

とある雑誌を見ていたら、

月に一度、三ヶ月に一度、一年に一度、

それぞれ目標設定する人は年収が高い傾向にあったという。

というか、年収が高い人は、

それぞれ目標を設定する傾向があったらしい。

この雑誌の調査は、ただ年収が高い人ほど

目標を策定、認識する立場にあるだけのように思うが、

調査によると、プライベートでの目標も立てているようだ。

年収が高い人は目標を立てているということイコール、

目標を立てれば年収が高くなるという訳ではないと思うが、

目標とある程度の期間で立てていくことはメリハリにつながる。

ということで目標を設定できるサイトがあればいいなと思った。

可能であれば、年間目標から落とし込んで三ヶ月に一度、月に一度、

そして毎日の目標に落とし込んでいけるようにできれば一番いい。

毎日の積み重ねで一年になることは誰でも知っている訳で、

毎日一定の何かをすれば、一年でかなりのものになることもみんな知っている。

それができないのは、日々の何かが、一年の何かにどうつながるかが分からないからだと思う。

つまりは、自分が日々やっていることが年間目標のこの部分をやっていると認識できれば、

かなり継続できると思う。

ただ、近いサイトが既に何個もありそうやなぁ。

ということで差別化を考えてみる。

<差別化>
やっぱりGoogleカレンダーと連携できないと意味がないだろうな。
ていうか、Googleカレンダーと連携できればiPhoneやアンドロイドともつながるということなので、必須なのかも。
アプリはどうでもいいかな。でも使いやすくなるなかいいのかも。あ、日々の更新はアプリがあった方が便利そう。
ここまで踏み込んでいるサイトはまだないかな。

いろいろなキャッチフレーズを集めたサイト。

時間がないので、今日は以上。

今日から久しぶりに頭の体操として簡単なアイデアマラソンを実施してみる。

第一回目は「ビジネスシューズ型ランニングシューズ」

さて、ランニングするときに必須とも言えるのがランニングシューズ。

でも、これを持ち運ぶとなると結構な負担になる。かさばるし、重い。

会社帰りに軽くランして帰ってくるとかいうことをしようとしても、

着替えを含めるとあり得ない荷物の量になりそうだ。

本当なら会社に置き靴して、行き帰りをランすればいいんだけど、

朝から汗かくのはというのがあるので、どうしても需要としては、

帰りのランになる。

これを解決するのがビジネスシューズ型ランニングシューズである。

言いにくいので名付けて「ビズランシューズ(略して、ビズラン)」ということにしよう。

このビズランを使えば通勤時、違和感なく通勤でき、

帰宅時は快適にランできる。

靴屋に行くと機能性を重視したビジネスシューズは結構ある。

実際、ださいのがネックになるのだが、

現在ある機能性を重視したシューズはどれも通気性を上げたものだ。

靴底に隙間のあるとんでもない靴まである。
(ちなみにこの靴は雨の際に水が漏れる場合があるという注意書きが書かれている)

そんな靴ができるなら、ビズランだってできる。

せめてビジネスシューズのデザインを維持しながら、

クッション性を高めてくれるだけでもいい。

<開発>
ランナーは機能性にこだわるので、革靴会社が作ったランニングシューズなら絶対売れない。
かならず実績のあるランニングシューズを開発している会社が、展開、もしくは少なくとも関わっていないといけない。
ただ、一歩引いて、ただ単に「走りやすいビジネスシューズ」として展開するなら、通常の革靴会社が作ったものでもいいと思う。

<広報>
「ビジネスでも、アシックス」みたいなキャッチでランナー向けに展開する。ランニングシューズにもブランド志向がかなりあるので、自分が使っているランニングシューズメーカーはかなり贔屓にする傾向がある。なんなら、ウェア全部そのメーカーでそろえる勢い。なので、その心理に注目する。
ただ単に走りやすいということなら「もう一つの営業ツール」みたいなコンセプトで、営業さんに展開する。

<余談>
革靴はただでさえ、足が臭くなりやすいのに、
ランニングなんてしてしまったら大変なことになるのではないかという懸念がある。
しかし、実際、ランニングシューズは臭くなりにくい。
何故だか分からないが、汗をふんだんにかくにも関わらず、全然臭くならない。
それはやはり通気性だと思う。この点で、ビズランはだいぶ解消されるはずである。

わしはとある零細企業の取締りを勤めている。

名前はシンジというが、そんなものは覚えてもらわなくていい。

わしは一つだけ特技がある。

これは毎朝披露している。

いうなれば日課だ。

まず、立ち位置としては、こうだ。

場所はとある電車のホーム。

女性専用車両の近くにスタンバイする。

勘違いしては困るが、女性専用車両だからではなく、

わしのいつも定位置が、たまたま女性専用車両だったというだけのことだ。

わしはその、電車とホームの間のわずかな隙間を狙って唾を吐くのだ。

これがなかなか難しい。

最初は失敗して、車両にあたってしまうこともあったし、

ホームに到達したこともあった。

唾吐きがマナーが悪いことぐらいしっている。

わしは取締役だ。なめるんじゃない。

続けていると不思議なもので、

コントロールが優れてくる。

今ではほとんどが、電車とホームの隙間に落ちる。

これなら、誰にも迷惑をかけない。

これが巷で唾吐きの達人とうわさになっているらしいが、

わしゃ、そんなの気にしない。

ただ、ただ、それを美学として追求しているだけだ。

今日も、うまくいった。

そんな感覚を追い求めたいだけだ。

私はICOCAの達人OLトモコ。

みんなは私のことをそういうけれど、

決して私はそんなことを思ったことなんてないの。

ただ単に、ICOCAをうまく使いたいだけなの。

だって、ICOCAってすごいじゃない。

私の使い方としては、

まず給料日に1万円チャージするの。

もちろん、定期券としても使うのよ。

でもこの1万円のチャージが、

私を魅力的に変えさせてくれるの。

だって、ICOCAは私のお財布なんだもの。

私はお財布が好きで、今まではいくつも持っていたけど、

今までは小さい小銭入れだけ。

後はICOCAと化粧ポーチをかばんの中にいれるだけ。

かばんがものすごく広く使えるから、OLとしてもばっちりじゃない。

まあ、私も書類をたくさん持ち歩くもの出来るOLじゃないって知っているから、

そんなに持ち歩きはしないわよ。

でも、いざというときってあるじゃない。

あと、私はチャージのとき以外はICOCAを出すことはないの。

かばんのそこに忍ばせておけばそれでOKなの。

改札を抜けるときだって、コンビニで買い物するときだって、

かばんごと押し付けてやればそれでOK。

たとえ両手がふさがってたとしてもよ。

この、かばんのそこにあるICOCAが、

私を素敵な場所まで連れてくれるの。

もちろん、疲れたときは、安らげる家まで連れてってくれる。

そう、私はICOCAに恋をしてるの。

もう離さない。

お願い!

私のICOCAをとらないで、先輩!!

かれこれ5年前の話。

とある、朝。

今日もあの、居酒屋風コンビニ店員タツヤの声が聞こえる。

「いらっしゃいませ~!!」

「こちらご利用明細になりますね~」

「おおきに、ありがとうございました~!!」

ある日、タツヤは言ったんだ。

「俺はコンビニっていうやつを変えたいんだ。あの流れ作業のような接客は、やりたくないんだ」

彼は確かに、居酒屋上がりのコンビニ店員だ。

どういう理由があったかは知らないが、

深夜のアルバイトが出来ることを理由に、

コンビニでバイトしているらしい。

それでいて、自分が居酒屋で働いていた店にも、

たまにヘルプで呼ばれることもある。

タツヤには、居酒屋という接客が好きなんだ。

そんなタツヤの店には、いろいろな客が来る。

コンビニなので、当たり前だが、客層も広いし、

回転がものすごい。

しかしタツヤは見分けることができる。

ある主婦が訪れた時には、

「いつもありがとうございます!」

と声をかける。

主婦は嬉しそうである。

あるサラリーマンが訪れたときには、

いつも袋を断ることを知っているので、

袋にいきなり商品を入れようとはしない。

支払い方法も、いつもの電子マネーということを知っているので、

手際よく手続きを進める。

疲れ果てたサラリーマンにとって、

その流れるような気の利いた接客に感動しながら、

一日を気持ちよく終えるのである。

そのコンビニが特別繁盛したわけではないが、

タツヤが来てからまるで雰囲気が変わった。

しばらくすると、客のほうから声を掛けられる。

タツヤの求めていた、居酒屋風コンビニ接客が実現できたときだ。

もちろん、この話はあまり知られていないが、

今、コンビニ業界が地域とつながりを求めていろいろなキャンペーンを打っているのも、

このタツヤの接客がきっかけである。

本当の接客って、こうじゃないんだろうか。

その想いを、ぶつけたタツヤは、ついにコンビ二業界をも動かしたのだ。

もちろん、その後もタツヤの挑戦はつづいてゆく。

穴の存在に気付いたのはいつの日だっただろうか。

その頃は穴とは気付かないぐらいの小さいものだった。

それが、今や大きな穴になった。

入れられるものは全て、足の隙間から床に滑り落ちて行った。

穴の存在を忘れかけた今日の午後10時。

当たり前のように入れられた携帯電話も床に滑り落ちていった。

その時、この穴の存在を忘れてはいけないと強く思った。

そうだ、私にはぽっかりと大きな穴があいていたのだ。

穴の存在を忘れて、私は無理をしすぎたのだ。

携帯電話。そんな一般的なものすら、私には受け入れることが出来ないのだ。

頑張るとかそういう問題ではないのだ。

午前0時の環状線。

向かいの乗客が、平成生まれだと騒ぎ出した。

やかましい。

私の穴を、これ以上広めないでくれ。

もしかしたら、この穴を塞いでくれるのは、今は到底受け止められないと思っているものなのかもしれない。

でも、それが私にはまだ到底わからない。

それでも、勇気を出して踏み出そうか。

この、到底埋められそうにない、ぽっかりと空いてしまった穴を埋める手段を、手探りで探そうか。

それが出来なければ、新しいポケットを手に入れるまでだ。

しばらくは、この穴とうまく付き合ってゆく。

そんな気持ちになれたらいいのだが、難しいときもある。

特に、今まで大丈夫だったものが受け止められなかった時、限界を感じるんだ。

人間らしい生活の限界を。

アニキはちゃんと働いていた。

まさか、同じ大阪に出てきているとは思わなかったし、生きているとも思わなかった。

大阪ビジネスパーク。契約社員としてセールスをやっているらしい。

僕が知っているアニキの姿は、アニキが結婚したときから記憶がない。

だから、かれこれ10年前のことだ。

「久しぶりだな」

でも、その間になにがあったかなんて、知りたくても聞く勇気はなかった。

きっと、アニキも同じ気持ちだったかもしれない。

それで、どこかしらそっけないのだ。

もちろん、あの日、今日のように鮮明に覚えている泥酔リーマンとして見たことも話せなかった。

「元気そうだな」

僕は、相変わらず、自分を変えられずにいた。

そんな自分が嫌いだった。

アニキの言葉は優しさだったんだと思う。


しばらくたって、アニキはタバコを取り出し、丁寧に火をつけた。

パーラメント。

グラスに残っていた半分近くのビールを飲み干し、店員に、お互いのお代わりを注文する。

時は過ぎる。

多分、ずいぶん飲んでいたんだと思う。

何気ない世間話しかしてなかったと思う。

僕の記憶はそれだけしかない。

ただ、今確かに、思い出せるのは、これがアニキとの正式な再会であった。

このまま、アニキとの間に埋められた溝を埋められたらいいと思っていた。

それが後になってこんな感情になるとは思わなかった。

「あ、あのさ」

何回か会うようになってから、アニキが怖い顔をして口を開いた。

プロフィール

マス風
ライター:岩田真和
ニックネーム:マス風
性別:男性
誕生日:1984年7月7日0時41分
血液型:O型
メッセージ:人間の認識の根幹である視覚、聴覚、、嗅覚、味覚、触覚、意識(いわゆる六根)をどう感じていくかをテーマに、日々アンテナ感度を上げながらすごすマス風の綴り。

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2007年から、マラソンをしています。

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