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2006年6月25日
黒川伊保子『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』
めちゃくちゃ面白いです。この本。
黒川伊保子『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』新潮新書,2004年
ことばの「音」だけに注目して、そこから感じる潜在的な力を見つけ出そうとしている。
題名にならって分かりやすくいうと「ガギグゲゴ」がつく怪獣はなぜ親しまれているのか暴こうとしている。そんな言葉の「音」に隠された秘密を知ろうということです。
そのためネーミング法の本ではなく、その「なぜそうなるんだ」という根本を解明しようとしているという感じでしょうか。
ちなみにここから内容のネタばれ注意ですが、ガギグゲゴのついた怪獣がなぜよいかというと、「男たちを興奮させる濁音」があるからだそうで、一言で言うと「生殖」のイメージらしい。
詳しくいうと、これらの音はブレイクスルー系の音といわれて、発音する時に膨張+放出という動作をする、それはまさに男性側からみた生殖のイメージ。それが潜在的に脳に働きかけるらしいんですよね。まったく奥深い。
さて、それでは「マス風(マスカゼ)」の音にはどんな働きがあるのでしょうか。
以下のように分解できる。
Ma=やわらかさ、女らしさ
Su=健やかさ、爽快感
Ka=硬さ、強さ
Ze=力強さ、膨張感
(M)=やわらかさ、女らしさ
(E)=奥ゆかしさ
(結構大雑把に取り出したので、あいまいになっているかも知れないです。念のため)
もちろん言葉の出来方は、人が感じる印象によって左右されるものなので、頭文字が同じ意味(S=すこやか、爽快)になることが多いようですね。
また最後にかいた(M)(E)は先頭拍、語尾拍といわれて強調されるそうな。
つまりマス風は、「やわらかな女性らしさと、男性的な強さを持ち合わせた、さわやかで奥ゆかしい(バランスのいいのか悪いのか、なんともメリハリの悪い)」感じとなった。
マス風の場合は分かりにくいけど本書の中にあった、カゴメとキリンのトマトジュースの例はものすごく顕著で分かりやすかった。カゴメは名前に甘さとコクがあるけど、キリンにはない(逆にキレとかはあるのでビールにぴったり)のですよ。
これがトマトジュースならいいんですが、自分の名前なんかは一生呼び続けられるわけで、それが毎回のように脳に刺激されるとなると、ある意味恐ろしい。
あ、音象の話ね。
実は俺も日記を書くとき、
時たま参考にしているよ(^^)
初めて日記にコメントいれるときとかに参考にしているわ。
>一郎
ひさしぶり☆
へぇ~音象っていうんやな。
コメントとかって文字だけだからその分、この情報って多くなるからいいかもな~。