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2006年9月30日

ニコラス.G.カー著,清川幸美訳『ITにお金を使うのは、もうおやめなさい』

ニコラス.G.カー著,清川幸美訳『ITにお金を使うのは、もうおやめなさい』ランダムハウス講談社,2005年

卒論があるので、その関係でこの本を読んでみました。

これからIT業界で働く立場としては、なかなか考えさせられる内容になっています。

ですが、この本のいっていることは正直、理解・共感できます。


“DOES IT MATTER?”


これはこの本の元の題名。意訳すると「ITはどうでもよい」らしい。

その題名と内容を読んで、IT業界に入る前に経営学部であって本当によかったと思った。

ITは目的ではなく、手段でしかない。

こんな当たり前のことだが、ITの魅力の大きさによって、何でも出来るなどの誤解はしてはいけない。導入そのものが利益につながったり、シェア拡大につながるものではない。

しっかりとした企業戦略の基に、導入を進めなければならない。つまり、その戦略を進める上で、たまたまITが必要だったという程度の認識ぐらいがよいだろう。

本によると最近では、その手段といっても、競争優位に持っていくための手段には出来ないという。ITは電力や鉄道と同じ。いくら電力を使ったとしても優位にはならないのと同じで、ITを使うのは当たり前になってきている。

そうなると今度は逆に、リスク対策を重視してみる必要があるそうだ。
もし今停電が起きたら、と考えると分かりやすいと思うが、当たり前のように使っているだけに、もしものときの損害は膨大なものになる。

価格、安定性、セキュリティー。もうIT自体には、戦略的とか差別化などのプラスアルファな言葉を求めることができないようだ。

これからの業界図の変貌が、少しながら見えてきそうである。

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